こんにちは、先日こんなポストをしました。
商用アカウントで「プライベートなことを発信すべきか否か」
— 青[ao:ROCA🪷]露花 (@aoao_roca) November 5, 2025
この話題3ヶ月に一度くらいは見かけますが、私なりの結論はもう出ています。
「他者に迷惑をかけることなく、自分らしさが出て、あわよくば予約につながればOK」…
3ヶ月に一回くらい、誰かが「商用アカウントでプライベートなこと発信していいの?」って言い出して、SNS界隈がざわつき始める。真面目な人ほど悩み、完璧主義な人ほど手が止まり、結局「何も発信しない」という最悪の選択肢に向かっていく。
正直、もう答え出てると思うんだけど。
他者に迷惑かけず、自分らしさが出て、あわよくば予約につながるなら、別にいいじゃん。
それだけの話。
でも、この「シンプルすぎる答え」を受け入れられない人が後を絶たない。なぜなら、みんな「正解」を求めすぎているから。誰かが作った「べき論」という名の呪いに縛られて、自分の感覚を信じられなくなっているから。
この記事では、何年も繰り返されてきた「プライベート発信論争」に、いい加減ピリオドを打ちたい。そして、あなたが本当に守るべき境界線と、逆に捨てていい「べき論」を明確にしたい。
なぜ私たちは「プライベート発信」に悩み続けるのか
多くの人が陥る最初の罠は、「ビジネスアカウントは常にプロフェッショナルであるべき」という固定観念だ。
確かに、一昔前のマーケティング理論では「企業アカウントは企業らしく」「プロは私情を挟むな」と言われてきた。テレビCMや雑誌広告が主流だった時代、そこに「中の人」の顔が見えることはなかった。
でも、SNSの時代は違う。
完璧すぎる「企業の顔」よりも、「血の通った人間の顔」のほうが、今の時代は圧倒的に信頼されやすいのだ。
それなのに、私たちは無意識のうちに「完璧であるべき」という呪いにかかり、自分らしさを消していく。
「誰かに批判されるかもしれない」という恐怖
もう一つの大きな要因は、批判への恐怖だ。
「プライベートなこと発信したら、『ビジネスアカウントなのに何やってるの?』って言われるんじゃないか」「フォロワー減るんじゃないか」「プロとして見られなくなるんじゃないか」——こうした不安が、発信を躊躇させる。
でも、冷静に考えてほしい。
あなたのアカウントを批判する人は、そもそもあなたの顧客ではない。
あなたのサービスに興味がある人、あなたという人間に共感する人は、あなたのプライベートな一面を知ることで、むしろ「この人、信頼できそう」「親近感わく」と感じる。逆に、細かいルールにうるさい人や、常に正論を振りかざす人は、最初からあなたの理想の顧客ではないのだ。
実際、私の知る限り、「プライベート発信しすぎて顧客を失った」というケースよりも、「何も発信せず埋もれていった」というケースのほうが圧倒的に多い。
今週、私がやった「プライベート発信」
今週、好きなアーティストのフェスがあって、私のアカウントはそれ関連の投稿ばっかりになった。セットリストの感想、会場の写真、興奮冷めやらぬ深夜のテンション高めなストーリーズ。めちゃくちゃプライベートなことだから、「べき論」で言えば「発信しないほうがいい」になるのかもね。
同じアーティスト好きな人が「あ、この人もか!」ってなったり、私という人間の輪郭がちょっと見えたり、数万人規模のイベントなら「実は同じ会場にいました」みたいな偶然もある。そういうの、距離を縮めるきっかけになるわけで。
ある顧客からは「実は私もずっとそのバンド好きで。〇〇さんがライブ行ってるの見て、なんか一気に親近感湧きました」というメッセージが来た。別の人は「いつもクールな感じだと思ってたけど、こんな一面もあるんですね。なんか安心しました」と。
これ、ビジネス的に「正しい」発信だったか? べき論で言えば、NOだろう。
「プライベート発信すべきか」という問い自体がナンセンスな理由
ここで、根本的な疑問を投げかけたい。
「プライベート」って、一体どこからどこまでを指すのか?
- 休日に何をしているか?
- 好きな食べ物?
- 家族構成?
- 趣味?
- 価値観?
- 体調?
- 失敗談?
これら全てを「プライベートだから発信NG」としてしまうと、あなたのアカウントには一体何が残るのか? サービスメニューと空き状況のお知らせだけ? それ、Googleカレンダーと何が違うの?
人は「情報」にお金を払うのではなく、「人」にお金を払う。
特に、サロン、コーチング、コンサル、カウンセリングなど、パーソナルなサービスを提供する業種であればあるほど、「この人に頼みたい」という感情が予約の決め手になる。その「この人」を伝えるのが、まさに「プライベート要素」なのだ。
「発信すべきか」ではなく「どう発信するか」が本質
問題は、プライベートを発信すること自体ではない。
問題は、「何を守り、何を出すか」の線引きができていないこと。
だから私は、「プライベート発信すべきか」という問いそのものを捨てて、こう問い直すことを提案する。
「他者に迷惑をかけず、自分らしさが出て、あわよくば予約につながる発信は何か?」
この問いに対する答えは、人によって違う。それでいい。正解は一つじゃない。あなたが引くべき境界線は、他の誰でもない、あなた自身が決めればいい。
絶対に守るべき「明確なNGライン」
ただし。
何でもかんでも「自由」というわけではない。明確にNGなラインは存在する。
NG①:他者の情報を無断で晒す
たとえば、友人や親族に赤ちゃんが生まれて、「抱っこしました!(写真)」みたいなやつ。これ、個人的には完全にアウト。
少なくともこの界隈のアカウントで、自分以外の人の情報が出たり、18歳未満の人の情報が出るのは、絶対にNG。
相手の同意も取れてないし、その子が将来どう思うかもわからない。そもそも、その情報を出すことで「自分らしさ」が表現できるわけでもないし、予約につながるわけでもない。ただの「私生活の一部を切り取っただけ」の投稿。それ、誰得?
実際、SNSに無断で子どもの写真をアップされたことで、親子関係が悪化したり、将来的にデジタルタトゥーとして残り続けるリスクもある。欧州では「子どものデジタル権利」が法的に議論されるほど、深刻な問題になっている。
あなたの発信の自由は、他者のプライバシーを侵害する権利ではない。
NG②:ネガティブな感情を垂れ流す
もう一つ、意外と見落とされがちなNG例がこれ。
「今日は最悪の一日だった」「疲れた」「もう無理」——こうした愚痴や不満を、そのまま発信していないだろうか?
もちろん、人間だから疲れるし、しんどい日もある。それ自体は自然なことだ。でも、受け取る側の気持ちを考えたとき、その発信は適切か?
たとえば、あなたがリラクゼーションサロンを経営していて、「今日は疲れすぎてもう無理」と発信したとする。予約しようと思っていた人は、どう感じるだろう? 「この人、疲れてるのに施術大丈夫かな…」と不安にならないだろうか?
ネガティブな感情を「人間らしさ」として出すのと、「配慮のない垂れ流し」は全く別物だ。
もし発信するなら、「疲れたけど、〇〇して回復しました」「しんどい日もあるけど、こうやって乗り越えてます」といった、前向きな着地を意識するだけで、印象は180度変わる。
NG③:誰かを見下す・批判する発信
「〇〇な人、本当に無理」「△△してる人って何なの?」——こうした、誰かを見下したり、批判したりする発信も避けるべきだ。
たとえそれが「一般論」として言っているつもりでも、受け取る側は「自分のことかも」と感じる可能性がある。そして、そう感じた瞬間、その人はあなたの潜在顧客ではなくなる。
批判や否定ではなく、肯定と提案で語る。
これは、ビジネスアカウントに限らず、人としての基本的な配慮だと思う。
反対意見とその反論:「プライベート発信NG派」の本音
ここまで読んで、「でも、やっぱりプライベート発信は控えるべきでは?」と感じる人もいるだろう。そうした反対意見にも、きちんと向き合いたい。
反対意見①:「ビジネスとプライベートは分けるべき」
【主張】
ビジネスアカウントは、あくまで仕事の情報を発信する場。プライベートを混ぜると、プロとしての信頼性が損なわれる。
【反論】
この意見は、一見正しそうに見える。でも、それは「企業アカウント」の話であって、「個人事業主・フリーランスのアカウント」には当てはまらない。
個人でビジネスをしている人にとって、「あなた自身」がブランドであり、商品の一部だ。あなたの価値観、人柄、ライフスタイルが、サービスの魅力に直結する。
たとえば、「丁寧な暮らし」を発信している料理研究家が、実際には毎日コンビニ弁当だったら? 「健康第一」を謳うトレーナーが、タバコ吸いまくってたら? そのギャップが、逆に信頼を損なう。
プライベートとビジネスを「分ける」のではなく、「統合する」ことで、一貫性のあるブランドが生まれる。
もちろん、全てをさらけ出す必要はない。でも、「一切見せない」のと「適度に見せる」のでは、信頼の築き方が全く違う。
反対意見②:「プライベート発信は時間の無駄」
【主張】
プライベートな投稿は、直接予約につながらない。その時間があるなら、サービス紹介や実績を発信したほうが効率的。
【反論】
確かに、プライベート投稿が「即座に予約」に結びつくことは少ない。でも、それは**「直接的な成果」しか見ていない近視眼的な視点**だ。
マーケティングには、「認知→興味→検討→購入」というステップがある。プライベート発信が担うのは、主に「認知」と「興味」のフェーズ。つまり、「この人、気になる」と思ってもらうきっかけを作る役割だ。
実際、私がコンサルしているクライアントの中で、プライベート要素を適度に入れ始めた人は、平均してフォロワーのエンゲージメント率が1.5〜2倍に向上している。そして、エンゲージメントが高い人ほど、最終的な成約率も高い。
つまり、プライベート発信は「時間の無駄」ではなく、「信頼貯金」を積み立てる投資なのだ。
反対意見③:「プライベート発信は炎上リスクがある」
【主張】
プライベートなことを発信すると、思わぬところで批判されたり、炎上したりするリスクがある。だから、発信しないほうが安全。
【反論】
これは、部分的には正しい。確かに、不用意な発信は炎上リスクを伴う。
でも、「何も発信しない」ことにも、別のリスクがある。
- 誰にも知られず、埋もれていくリスク
- 顧客との関係が希薄になり、リピートされないリスク
- 競合に顧客を奪われるリスク
炎上を恐れて完全に沈黙するのは、交通事故を恐れて一生家から出ないようなものだ。
大切なのは、「発信しないこと」ではなく、「炎上しない発信の仕方を学ぶこと」。そして、その基準が「他者に迷惑をかけない」「配慮の境界線を守る」ということなのだ。
「自分らしさ」と「配慮」を両立する具体的な方法
では、具体的にどう発信すればいいのか? ここでは、実践的なガイドラインを示したい。
ステップ1:自分の中で「OK/NGライン」を明文化する
まず、紙とペンを用意して、あなた自身の「発信OK/NGリスト」を作ってみよう。
【OKリスト例】
- 自分の趣味
- 好きな食べ物・場所
- 価値観や考え方
- 仕事への想い
- 日常の小さな出来事(景色、天気など)
【NGリスト例】
- 他人の個人情報
- 家族や友人の顔写真(許可なし)
- 誰かを批判する内容
- ネガティブな愚痴の垂れ流し
- 政治・宗教の極端な主張
このリストは、あなた専用の「発信ガイドライン」になる。迷ったら、ここに立ち返ればいい。
ステップ2:「Why(なぜ発信するのか)」を常に意識する
プライベートな投稿をする前に、自問しよう。
- この投稿で、フォロワーに何を伝えたいのか?
- この投稿を見た人は、どんな気持ちになるか?
- この投稿は、自分のブランドと一貫性があるか?
この3つの問いに答えられない投稿は、おそらく不要だ。
ステップ3:「〇〇な一面もある私」としてストーリー化する
ただ「ランチ食べました」「ライブ行きました」だけでは、単なる日記になってしまう。
そうではなく、その出来事を通じて、あなたがどんな人間なのかが伝わる形にする。
【悪い例】
「今日はカフェでケーキ食べました🍰美味しかった〜!」
【良い例】
「仕事の合間、ふと立ち寄ったカフェで。甘いものを食べると、頭がリセットされる感覚があって好き。こういう小さな余白が、お客様に向き合うエネルギーになってる気がします」
後者は、「甘いもの好き」というプライベート情報だけでなく、「お客様に真摯に向き合いたい」という価値観まで伝わる。
ステップ4:定期的に「振り返り」をする
月に一度、自分の投稿を振り返ってみよう。
- プライベート:ビジネス = 何対何だったか?
- エンゲージメントが高かった投稿はどれか?
- フォロワーからの反応はどうだったか?
この振り返りを通じて、あなた自身の「最適なバランス」が見えてくる。
結論:「べき論」を捨て、自分の基準で生きる
さて、長々と書いてきたが、結論はシンプルだ。
「プライベート発信すべきか」という問いに、万人共通の正解はない。
あなたが守るべきは、他人が作った「べき論」ではなく、あなた自身が納得できる境界線だ。
- 他者に迷惑をかけない
- 自分らしさが出る
- あわよくば予約につながる
この3つを満たすなら、あなたの発信は「正しい」。逆に、この3つのどれかを欠いているなら、見直したほうがいい。
そして、「プライベート発信、どうしよう」ってモヤモヤしてる時点で、たぶんあなたは慎重派だし、ちゃんと考えられる人。だったら、自分の中でラインを引いて、それ守ってればいいだけじゃない?
他人の「べき論」に振り回されて、自分を消して、つまんないアカウントになるより、よっぽどマシだと思うけどね。

