60代70代女性が女風のデートコースを選ぶ理由 | ランチと散歩に救いを求める孤独の正体

女性用風俗といえばホテルで性的サービス、と思っていませんか。本当にそうだと思います?

以前、AERAさん(朝日新聞デジタル)に取材を受けたことがあります。テーマは60代70代女性がデートコースに救いを求める孤独と不安、といった話でした。そのとき私が伝えたのは、現場の実態は世間のイメージとまあまあズレている、ということ。

参考:【2025年下半期ランキング 経済・ライフ編9位】「女性用風俗」に60代70代女性 2時間ランチ、手をつないで散歩…「デート」に救いを求める女たちの“孤独と不安”

「2時間、ランチだけでいいの」
「水族館に一緒に行ってほしいだけ」
「手をつないで散歩してくれたら」
「ただ愚痴を聞いてもらえれば」
「隣に男の人がいる、それだけでいい」
「派手なことは要らないから」

こういう声が、年齢層が上がるほど増えていきます。もちろんホテルコースもあります。でも、刺激を求めているわけではない。「隣に誰かがいる」という事実だけで、呼吸が戻る人がいるんです。

【恋愛でも再婚でもない、という前提】

ここで厄介なのは、彼女たちが求めているのは恋愛でも再婚でもないこと。むしろ、愛情のやり取りそのものが重くなってしまっている人が多いんです。

✓ 長年の介護で疲弊している
✓ 配偶者との死別を経験した
✓ 長い結婚生活で感情が摩耗している
✓ セックスレスが何年も続いている
✓ 子育てが終わって自分が空っぽになった
✓ 誰かに必要とされる実感がない

現実が濃いほど、恋愛は癒しではなく仕事になりやすい。だから「お金が介在している関係がちょうどいい」という言葉が出てきます。期待しなくていい。相手を縛らなくていい。終わったら一人に戻る寂しさはある。でも、それも含めて安全なんです。

じゃあ仮に、これが単なる孤独の埋め合わせだとして。それでも、年齢層が高い女性ほど抱えているものがあります。罪悪感です。

「母親失格じゃないか」
「家族より自分にお金を使っていいのか」
「もう可愛くないから雑に扱われるかも」
「こんな歳で恥ずかしい」
「誰にも言えない」

こういう声、現場では珍しくありません。

だから私が気をつけているのは、耳障りのいい言葉で蓋をしないこと。「大丈夫、キレイだよ」と言えば、その場は楽になります。でも、それ…翌日には効かなくなることが多い。

その代わり、相手が話す内容をじっと整理します。何が起きていて(観察)、何がつらくて(感情)、何を求めていて(ニーズ)、今日どうしたいのか(リクエスト)。派手な正解を渡すより、本人の言葉がちゃんと本人に戻るようにする。

あと、私がよく言うのがこれです。

「ここだけで心を満たしちゃだめだよ」って。

冷たく聞こえるかもしれません。でも、これは優しさのつもりです。心のメンテナンスとして時々使うのはいい。でも依存は、気持ちよく始まって、静かに日常を削っていきます。

結局のところ破滅って、事件じゃなくて習慣で起きるものですから。

【依存しない、でも自分を否定しない】

自分の欲求をなかったことにしない。自分の人生の舵を自分で握る。ただし、他人の人生も同じように尊重する。

だから私は、お客様に「自分のために選んでいい」と言います。同時に「相手を道具にしないで」とも言います。

✓ 依存しない
✓ 境界線を守る
✓ 終わったら現実に戻る
✓ 期待を預けすぎない
✓ 相手を消費しない
✓ 自分だけの時間に還る

このバランスが崩れると、どちらも不幸になります。

サービスの裏側って、結局ここなんです。満たすだけじゃなくて、戻すところまで含めて設計しています。帰り道がきつい人には、翌日の予定を具体化してもらうこともある。孤独が深い人には、外に支えを増やす話もする。

恋愛を推したいわけではありません。選択肢が一つしかない状態を、作りたくないだけです。

【上手さより温度という真実】

女風をどう見るかは人それぞれでしょう。でも現場で見えてくるのは、すごく地味な真実です。

✓ テクニックより体温
✓ 刺激より安心
✓ 派手さより静けさ
✓ 言葉より沈黙
✓ 満たすより戻す
✓ 特別扱いより普通の時間
✓ 依存より自立への橋
✓ 消費より循環

「多い」か「少ない」かでは測れない。「ある」か「ない」かでも測れない。時間の密度、体験の質、帰り道の足取り。そういうものでしか、価値は語れません。

だから提案はひとつだけ。ここを唯一の居場所にしないでください。

依存は、癒しの顔をして近づいてきます。それでも、自分のために選ぶことは間違いではありません。ただ、戻る場所を持っていてほしい。

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