「寄り添い系セラピストは売れない」の本質と、埋もれない戦略

「寄り添い系セラピストは売れない」の本質と、埋もれない戦略

こんにちは、先日こんなポストをしました。

朝、スマホを開く。タイムラインには「寄り添います」の文字が並んでいる。アイコンの向こうに何人いるかなんて、もう数える気にもならない。

寄り添い系セラピストが埋もれる理由は、シンプルで残酷だ。同じ本を読んで、同じ言葉を使って、同じ場所に立てば、当然同じに見える。インプットが同じなら、アウトプットも同じになる。ただそれだけの話。

目次

すでに席は埋まっている

「寄り添い系セラピストと言えば誰?」と聞かれたとき、すでに数名の顔が浮かぶ状態になっている。その人たちは何年もかけて実績を積み、ブランドを作ってきた。後からやってきて「私も寄り添います」と言ったところで、「あ、はい。他にもいますけど」で終わる。

これは能力の問題じゃない。ポジショニングの問題。先にいた人が席を取ってしまったというだけの、地味で動かしがたい現実。

もっと面倒なのは、寄り添い系を目指す人たちのインプット源が驚くほど似ているという事実だ。

読んでいる書籍

Amazonで「傾聴」と検索して上位に出てくる本。心理学の入門書。『嫌われる勇気』は必読扱い。ロジャーズの来談者中心療法の解説書。NLPの基礎本。ベストセラーになったカウンセリング関連の新書。とりあえず押さえておくべきとされる古典が数冊。書店の「心理学」コーナーの平台に並んでいるものを、みんな同じように手に取る。

参考にしている思考法

アドラー心理学の「課題の分離」。NLPの「ラポール」と「ペーシング」。カウンセリング理論の「共感的理解」と「無条件の肯定的関心」。マインドフルネスとか、認知行動療法の軽い知識とか。どれも間違っていないし有用だけれど、それを学んでいる人が何百人もいる。

フォローしているアカウント

同じ界隈の先輩セラピスト。柔らかい雰囲気のプロフィール画像で、投稿には「あなたらしく」とか「そのままで」という言葉が並ぶアカウント。フォロワー数が多めで、定期的にセッション募集をしている人たち。そしてその人たちがフォローしている、さらに上の先輩たち。結局、同じ5〜10人くらいの発信を、みんなで眺めている。

発信の内容

「あなたのままでいい」「寄り添います」「安心できる場所を提供します」「否定しません」「ゆっくりお話を聞かせてください」。柔らかいトーンの文章。自然光の中で撮った、ほんわりしたイメージ写真。ハーブティーとか、観葉植物とか、開いたノートとペンとか。

同じ本を読み、同じ人をフォローし、同じ言葉を使っていれば、そりゃ発信も似てくる。読者から見たら「どれも同じ」だ。区別がつかない。誰を選んでも同じなら、結局は先に名前を覚えた人のところに行く。

通知をオフにして画面を閉じる。違いがないなら、選ばれる理由もない。それだけのこと。

「寄り添い系と言えば?」に名前が出ない恐怖

もっと怖いのは、検索されても、誰かに聞かれても、あなたの名前が出てこないという状況だ。すでに確立されたブランドを持つセラピストの名前が先に並んで、あなたは「その他大勢」の中に消える。

これは能力が低いからじゃない。ポジショニングが弱いだけ。でも結果は同じ。埋もれる。

姿勢ではなく、確かな技術

「話を聞いてもらえて嬉しかった」だけでは、リピートにはならない。客が本当に求めているのは「悩みが解決した」「心が軽くなった」「人生が変わった」という具体的な成果。寄り添いは、その成果を生み出すための手段であって、目的じゃない。

メインディッシュと添え物の違い

寄り添いは添え物だ。メインディッシュがあってこそ、価値を持つ。

  • メインディッシュ:確かな技術、独自のメソッド、実績
  • 添え物:寄り添い、共感、安心できる雰囲気

添え物を大盛りにしても、客は満足しない。むしろ「何を食べに来たんだっけ」と困惑する。

利用後の変化こそが価値

お客様が金銭を払う理由は、Before → Afterの変化にある。不安が落ち着いた、悩みの原因がわかった、行動プランが見えた、人間関係が改善した。この変化を生み出せる技術が、セラピストの本質的な価値。寄り添いは、その技術を効かせるための潤滑油であって、商品そのものじゃない。

後発でも勝てる2つの武器

じゃあ、後発に勝ち目はないのか。そうでもない。道はある。それがプロセスエコノミーストーリーテリングだ。

プロセスエコノミー:過程そのものに価値がある時代

プロセスエコノミーというのは、完成品だけじゃなくて、そこに至るまでの過程自体に価値を見出す考え方のことだ。

例えばゲーム実況。結果じゃなくて、プレイする過程を見せることで価値を生んでいる。セラピストも同じ。「完璧なメソッドを持っています」と言うより、「試行錯誤しながら、こんなアプローチを見つけました」と語る方が、共感と信頼を得られる。

あなたがどう考え、何に悩み、どう進化してきたか。その道のりそのものが、唯一無二のコンテンツになる。

ストーリーテリング:あなただけの文脈を語る力

ストーリーテリングは、単なる自己紹介じゃない。「なぜ寄り添うのか」「どんな背景でこのスタイルにたどり着いたのか」という文脈を語る力のことだ。

同じ「寄り添う」でも、

  • 自分が孤独だった経験から寄り添うようになった人
  • 医療現場で限界を感じて独立した人
  • 家族の死をきっかけに傾聴の大切さを知った人

では、寄り添い方の温度も、深さも、意味も全然違う。この違いこそが、あなたを選ぶ理由になる。

「型」から「道のり」へのシフト

寄り添いという「型」を競う時代は終わった。これからは、あなた自身の「道のり」を語れる人が選ばれる。

どんな失敗をしたか。どう乗り越えたか。今、何を大切にしているか。これから何を目指しているか。この透明性と人間性が、後発でも勝てる最大の武器になる。

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