木曜の夜でした。
時計は23時をまわっていて、画面にはエンドロールが流れていました。
中島健人さんが演じるセックスセラピストが、誰にも言えなかった悩みを持ち込んだ人の前で、口をはさまずに座っている。
そういう場面を見終えたあと、部屋の音がふっと消えます。
Netflixの『SとX』は、8月20日に配信が始まりました。
セックスレス、更年期、体のこと。
ふだん誰も口にしない話が正面から出てくるドラマを、ひとりで見終えた40歳以上の女性に向けて、この記事を書いています。
先に手の内を明かしておきます。
この記事の最後で、私が在籍する女性用風俗の店舗「露花」の、2時間24,000円のコースをおすすめします。
私は青といいます。
40代の現役セラピストで、月に数日だけ現場に立っています。
売り込みだと分かったうえで読んでもらったほうが、お互いに正直でいられます。
値段の話は途中できちんとします。
そこまでは、値段のことは頭の外に置いておいてください。
配信が終わったあと、部屋の音がふっと消えた
あのドラマの中には、話を持っていける場所があります。
クリニックがあって、椅子があって、聞く人が座っている。
言いにくいことを言っても、笑われない前提でその場が回っています。
見ているあいだは、その前提を借りていられます。
自分の話ではないのに、少しだけ息がしやすくなる。
問題は、配信が終わったあとです。
画面が暗くなると、部屋にはあなたひとりが残ります。
明日も仕事です。
親の通院の予定が、冷蔵庫に貼った紙に書いてあります。
洗濯機を回しておくのを忘れていたことに気づきます。
「ああいう場所が、現実にもあればいいのに」
そう思ったところで思考が止まって、そのまま寝る。
翌朝には、思ったことごと忘れている。
この流れを、もう何年も繰り返している人がいます。
本を読んでも、映画を見ても、結末は同じです。
心が動いた分だけ、動いたあとの静けさが濃くなる。
それは、あなたの意志が弱いからではありません。
動きたい気持ちの受け皿が、生活のどこにも用意されていないだけです。
40歳以上の女性の一日は、他人の予定でほとんど埋まっています。
自分のために2時間を空ける方法を、誰も教えてくれません。
- 体調や家族の話はするが、自分の気持ちの話は何年もしていない
- 連絡先は多いのに、夜中に電話していい相手がいない
- 人と会う予定はあるが、その全部に役割がついている
- 自分のために使うお金だけ、金額を見るのに時間がかかる
- ドラマや小説で泣いたことを、誰にも言っていない
ひとつでも当てはまるなら、この先は読む価値があります。
なくしたのは相手ではなく、聞かれる側になる時間だった
40歳以上になると、人の話を聞く側に固定されます。
職場では下の世代の相談を受けます。
家では親の体調を聞き、通院に付き添い、薬の名前を覚えます。
配偶者がいても、交わす言葉は連絡事項ばかりになります。
聞く側でいるのは、悪いことではありません。
そこには確かな役割があり、あなたはそれを長く果たしてきました。
ただ、聞かれる側に戻る時間が、いつのまにか一日の中から消えています。
触れられる機会も、同じように減っていきます。
握手も、肩に手を置かれることも、抱きしめられることも、この一年で何回あったでしょうか。
数えられてしまう程度の回数なら、それは減っているということです。
ここで言いたいのは、あなたが可哀想だということではありません。
その逆です。
減ったものは、足せます。
足す方法があるのに知られていない、というだけの話です。
ドラマの中の彼は医療の側の人でした。
私は違います。
私が用意できるのは、治すことではなく、聞かれる側に戻る2時間そのものです。
2時間24,000円。この金額の中身を分解します
露花/青 2時間コース
24,000円
待ち合わせから見送りまで、2時間。
ご案内はここから始まります。
この金額を、時間で割ってみます
- 1分あたり200円
- 24,000円を120分で割ると、こうなります。
美容室で過ごす時間の単価と、そう遠くありません。
違うのは、その2時間のあいだ、話題の主語がずっとあなたであることです。 - この金額に含まれないもの
- 待ち合わせ場所までの交通費、飲み物代、部屋を使う場合の費用は別にかかります。
金額が変わる可能性のあるものを、先に書いておきます。
当日になって知る項目を残しておきたくないからです。
なぜ90分ではなく、2時間なのか
90分のコースもありますが、初めての方には2時間をすすめています。
理由は単純で、最初の30分はほぼ緊張で消えるからです。
待ち合わせて、挨拶をして、歩いて、座る。
飲み物が来て、当たり障りのない話をする。
ここまでで30分です。
この30分を削ると、緊張したまま終わります。
そして「よく分からないうちに終わった」という記憶だけが残ります。
それはお互いにとって、いちばんもったいない使い方です。
2時間あれば、残りの90分で息が落ち着きます。
3時間や4時間のコースもありますが、初回にそこまで取る必要はありません。
長さは、また会いたくなってから伸ばせば足ります。
当日に実際に起きることを、時間の順に書きます
先に言っておきます。
劇的なことは、ほとんど起きません。
そのつもりで読んでください。
- 待ち合わせ
駅の改札そばか、指定の場所で会います。
私からは声をかけず、あなたが見つけて近づいてくるまで待ちます。
直前に人目が気になったら、少し離れた場所を指定し直してかまいません。 - 最初の30分
喫茶店に入るか、そのまま部屋に移動します。
話すことは、天気か、そこまで来た経路か、その日の暑さくらいです。
気の利いたことを言おうとしなくて大丈夫です。
私も言いません。 - 中盤の60分
ここで話題が変わります。
変えようとしなくても、たいてい勝手に変わります。
親のこと、体のこと、何年も口にしていなかったことが出てくるのはこのあたりです。
出てこなければ、出てこないまま過ごします。
それでも時間は減りません。 - 触れることについて
肩や手から始めます。
そのつど確認しますし、途中でやめてほしいと言われたらやめます。
言いにくければ、手をどけるだけでも伝わります。 - 最後の30分
身支度をして、外に出ます。
駅まで一緒に歩いて、改札で別れます。
帰り道に何を思うかは、その日によってまったく違います。
この2時間で人生は変わりません。
変わるのは、その日の夜の静けさの質だけです。
ただ、それが変わると翌日が少し軽くなる、という経験をしている方はいます。
ここから先は、あなたが今つぶやいた「でも」への返事です
この歳で行くのは、変ではないですか
変ではありません。
私のところに来る方の多くは40代から60代です。
年齢を理由に断ることはありませんし、若い方が優先される仕組みもありません。
むしろ、話が通じる相手を探して来た結果としてこの年代が集まっている、というのが実感です。
体型や見た目が恥ずかしくて、その前で無理です
体のことを気にしていない方に、私はほとんど会ったことがありません。
気にしていない人が来るのではなく、気にしたまま来ます。
整えてから来る場所ではなく、整っていない前提で成り立っている仕事です。
電気を暗くしてほしい、上は着たままがいい、といった希望はそのまま伝えてもらってかまいません。
何を話せばいいか分かりません
話さなくて大丈夫です。
沈黙が続いても、私は困りません。
話題を用意してくる方もいますが、たいてい途中で使わなくなります。
「今日はあまり話したくない」と最初に言ってもらえれば、こちらもそのつもりで過ごします。
家族に知られたくありません
こちらから連絡することはありません。
郵送物も出しませんし、電話もかけません。
やりとりはご指定の方法だけに絞れます。
待ち合わせ場所も、生活圏から離した場所を選んでかまいません。
そのほうが安心できるなら、そうしてください。
予約したあとで怖くなったら、どうすればいいですか
その旨を送ってください。
やめる、日を変える、時間を短くする、どれでもかまいません。
怖くなるのは正常な反応で、責める理由がありません。
直前でも大丈夫かというと、正直に言えばこちらの都合が動くこともあります。
ただ、無理に来られるより何倍もいいです。
ドラマみたいに、専門家に悩みを解決してもらえるんですか
ここははっきり書きます。
できません。
ドラマの中の彼は医療の側の人ですが、私は医療者ではありませんし、診断も治療もしません。
体や心の不調で困っているなら、まず医療機関に行ってください。
それが遠回りに見えて、いちばん確実です。
私にできるのは、あなたの話を最後まで聞くことと、そばにいることと、必要なら触れることまでです。
それでも、その2時間に意味があると思ったときだけ来てください。
最後に、お金のことを正直に書いておきます。
24,000円は、生活を削ってまで出す金額ではありません。
今月の支払いを先送りにしたり、誰かに借りたりして来る場所ではないと考えています。
使ったあとで通帳を見るのが怖くなるなら、その回は見送ってください。
私は来月も再来月も、同じようにこの仕事をしています。
急がなくていいというのは、そういう意味です。
40代の私を選ぶ理由を、3つだけ書きます
1.昔の話に、注釈がいらない
私は90年代のバンドを聴いて育ち、今もギターを弾いています。
当時のバンド名を出しても、説明する必要がありません。
雑誌の名前も、テレビの音楽番組の話も、そのまま通じます。
これは小さいことに見えて、実は大きいです。
説明しながら話すと、話は途中で面倒になって止まります。
止まらない相手というだけで、2時間の中身は変わります。
2.介護と体力の話が、想像ではなく実感で分かる
親の年齢が上がっていく時期に、私自身も入っています。
だから、通院の付き添いがどれだけ一日を潰すかを、話として聞くのではなく知っています。
体力が落ちたと感じる場面も、自分の中に材料があります。
20代のセラピストが悪いという話ではありません。
ただ、うなずき方が変わるのは事実です。
3.月に数日しか出ないので、急がない
私は月に数日だけ現場に立ちます。
本数をこなさないので、次の予定に押されて時計を見ることがありません。
2時間を2時間として使えます。
その代わり、枠は少ないです。
これは煽りではなく、単純に出られる日数が限られているという事実です。
希望日がある場合は、早めに聞いてもらえると答えやすくなります。
連絡から当日までの手順
- 下のご案内ページから、連絡先を確認します。
- 希望の日付を、いくつか挙げて送ります。
まだ決めていない段階の連絡でかまいません。
「検討中です」だけでも届きます。 - こちらから、空いている日と待ち合わせ場所の候補を返します。
- 日時が決まったら、当日までに気になることを聞いてください。
質問の数に上限はありません。 - 当日、待ち合わせ場所へ。
行く直前に気が変わったら、その時点で連絡をください。
決めてから連絡する必要はありません。
むしろ、決めていない段階のほうが聞けることは多いです。
質問だけして、そのまま予約せずに終わる方もいます。
それで何も問題ありません。
静かな部屋に戻ったとき、残っているもの
木曜の23時に戻ります。
配信が終わって、部屋の音が消えたあの瞬間です。
あのとき動いた気持ちは、正しいものでした。
ただ、行き先がなかったので、翌朝には消えていただけです。
24,000円で買えるのは、私という人間ではありません。
買っているのは、聞かれる側に戻る2時間そのものです。
その2時間のあいだ、あなたは誰かの母でも、誰かの妻でも、職場の年長者でもありません。
そして2時間が終われば、あなたは同じ部屋に帰ります。
部屋は静かなままです。
変わるのは、その静けさに耐えている状態から、その静けさを選んでいる状態に移ることです。
気が向いた日で大丈夫です。
今日でなくてもかまいません。
ただ、あの夜に思ったことを、思ったままにしておかなくてもいい、ということだけ覚えておいてください。
露花/青 2時間コース 24,000円
まだ決めていない段階のご連絡で大丈夫です。
※本文で触れた場面は、個人が特定されないよう細部を変更しています。
※作品の内容については、公式に発表されている範囲のみに触れています。
※料金・コースの最新の内容は、店舗の案内をご確認ください。

