なぜ女風セラピストは施術中に女性の下腹部を押すのか?

下腹部押されて痛かった

女性向け風俗サービス(女風)を利用する女性たちの間で、時折SNSを賑わせる話題があります。

  • 「お腹をグイグイ押されて痛かった」
  • 「あれは何の意味があるの?」
  • 「謎のテクニックが流行ってる」

といった疑問や不安の声です。

一方で「気持ちいい」という肯定的な意見も存在します。

なぜ、女風セラピストは女性の下腹部を押すのでしょうか?それは正しい技術なのでしょうか?

今回は、大手グループでのNo.1経験を持ち、現在はセラピストへの技術指導も行う神無月(かんなづき)氏に、その真相と、女性側が知っておくべきポイントについて直撃インタビューを行いました。

神無月(かんなづき)

2大大手女風グループを経験。同グループでは約1700名の在籍者の中で店舗1位、グループ全体でも90位の成績を残す。緊縛やSMなどの特殊施術にも精通し、駆け込み寺的な存在として多くの女性から支持されている。2025年12月1日より、女性用風俗店露花(ろか)にて現役復帰を果たす。

略歴

STEP
40歳

エロの世界に足を踏み入れる(所謂、ハプバー/SMバーなど)

STEP
42歳

裏垢界隈で有名になり、裏垢マッチングパーティーなどを主催。この頃から、個人として「性交痛改善」「オーガズム開発」「技術指導」などの依頼が入り始める。

STEP
46歳

とある女性に「こっそりやってないで、表舞台であなたの技術や経験を活かして、女性を救ってほしい」と言われる。

STEP
46-47歳

(半年間空いて)某全国チェーンM(当時のM40)所属/2020年女風デビュー。

STEP
47-50歳

(1年間空いて)某全国チェーンH所属

STEP
51歳

(1年間空いて)露花(ろか)デビュー

画像1
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プロフィール
名前神無月
年齢51歳
スタイル168cm / 63kg
セラピスト歴個人4.5年/店舗所属3.5年=8年
電話コース稼働の可否
似ていると言われる芸能人謎(確認しにきてね)
好きな食べ物ラーメン
おすすめのデートコース赤提灯系飲み屋
喫煙電子タバコ(紙も応相談)
飲酒・好きなお酒スコッチシングルモルト

写メ日記

はじめに:なぜこのテーマでインタビューをするのか

青:今日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。今回、なぜこのインタビューをしようと思ったかという経緯からお話しさせてください。

女風界隈のSNSで、定期的に「セラピストに下腹部を押されて痛かった」という話題がトレンドというか、炎上することがありますよね。

実は私も、ご予約いただいたお客様から「〇〇店の誰々さんにお腹を押されてすごく痛かった」というとても具体的なご報告というか、クレームに近いお話をいただいたことがありまして…

神無月:ええ、なるほど。

青:サンプル数は私1人ではありますが、表には出ていないけれどそういう経験をされている方が多いんじゃないかと思いまして。

「なぜ女風セラピストは女性の下腹部を押すのか」というテーマでインタビューをしようと代表の満さんに相談したところ、「神無月さんがいいんじゃない?」とご指名をいただいた次第です。

神無月:まあ、そんなことだろうと思っていました(笑)。どこから話せばいいかわからないですが、なんでも聞いてください。

異色の経歴と「露花(ろか)」デビューの裏話

青:まず、なぜ代表が神無月さんを指名したのかという点も含めて、自己紹介をお願いできますでしょうか。

神無月:はい。僕は今から5年前に「某大手A店」さんでデビューしました。半年ぐらいで辞めて、その半年後に「某大手B店」さんに移籍しました。当時、あのお店は採用基準が38歳までだったんですけど、僕は40歳からこの世界に入ってきていまして。

青:年齢制限の上限を超えていたんですね。

神無月:そうなんです。そこから2年半、いわゆる2大大手と言われるグループに所属していました。最終的には、1700人くらい在籍していたんですが、辞める際には店舗で1位、グループ全体でも90位くらいには入っていました。昨年の11月に引退した形です。

青:1700人中の90位!

神無月:僕はちょっと変わった人間で、緊縛とか特殊なシチュエーションとか、他の方々がやらない施術方法でご予約をいただいていました。

実年齢は51歳なんですけど、40歳からこの世界に入って、そこからハプニングバーとかSMバーとか、マッチングパーティーを主催するとか、いろんな場所に出入りして技術が磨かれていったんです。

青:なるほど。

神無月:そんなとき「表舞台に立った方がいいよ」と女性からアドバイスを受けてデビューしたのが5年前です。昨年11月に引退した後は、女風という肩書きは一度置きました。

「男性セラピストにも女性にも、ちゃんと技術を教えられる環境を作りたい」と思って、この1年間はずっと講習やセミナーをやっていました。そして今年の12月1日に、ご縁があって「露花(ろか)」でデビューさせていただくことになりました。

青:露花(ろか)との縁というのは?

神無月:僕が辞める直前の昨年11月に、僕が主催した「セラピスト会」という飲み会があったんです。そこにお店を作る前の満代表が来られていて、猛烈なアピールを受けまして(笑)。「辞めたらうちを受けませんか」と。

青:ああ、そういうことなんですね(笑)。意外と押しが強いところがありますよね、代表。

神無月:そうなんですよ。その後も何度も何度もお声がけをいただいて。僕が根負けしたというか(笑)。もちろん、お店のコンセプトや想いに共感したところもあったので、12月からデビューすることにしました。

本題:「下腹部を押す」とは何を目的としたプレイなのか

青:ありがとうございます。自己紹介や神無月さんの歴史だけでも記事が一本かけそうですが(笑)、本題に戻りますね。

そもそも論なんですが、「女性の下腹部を押す」というテクニックは、何をするものなんですか? もしお客様に「どういうプレイなの?」と聞かれたら、どう説明されますか?

神無月:おそらく一般的に言われているのは、「外ポル(体外式ポルチオ刺激)」みたいなものではないかなと思います。お腹の上から子宮を押す、ということですね。ただ、本質的な意味合いで言うと、それ以外にも結構あると思っていて。

青:本質的な意味合い、ですか。

神無月:はい。これをセラピストが理解しているかどうかは別として、本来は「骨盤底筋(こつばんていきん)へのアプローチ」であったり、神経側で言うと「迷走神経へのアプローチ」であったりします。

下腹部への外部刺激によって、腹部の筋肉に一時的な緊張が誘発され、その後の弛緩が起こることで「反射的な収縮」が生じることがあります。

実際、オーガズム時には骨盤底筋がリズミカルな痙攣を起こし、それに伴ってお腹周りの筋肉にも反応が生じます。下腹部へのアプローチは、こうした身体反応に近い状態を部分的に再現し、快感が入りやすい下地を作る目的があります。

さらに、この反応を観察することで骨盤底筋や体幹の状態を把握しやすくなり、外部刺激によって骨盤周囲の血流が増加して温度が上がるため、性感覚が発火しやすい環境を整える効果もあります。本来はそのような意図で行われるものです。

青:なるほど。単に「子宮を押す」という話ではないんですね。

神無月:そうなんです。でも、「子宮を押す」ということだけを目的にしてしまっているセラピストが多いんじゃないかな。しかも、その位置が間違っている方が多いから「痛い」と言われるんじゃないかと。

青:間違った解釈と本質的な解釈があるということですね。「お腹を押せば気持ちいいんじゃね?」みたいな、間違った認識のほうが広まってしまっていると。

神無月:そうですね。

なぜこのテクニックが広まったのか?

青:その「下腹部を押す」のが広まったのはいつ頃からなんでしょうか?

神無月:僕もそこまで認識があるわけではないですが、女風の世界で「腹イキ」というキーワードを目にするようになったのは、ここ2〜3年前からな気がしています。僕が元所属していたグループの人たちが「腹イキ」という言葉を使い出したのがそのあたりなので。

青:3年前というと、女風自体がある程度認知されてきた頃ですね。よくSNSで炎上すると、それを引用して「外ポルとは〜」と自分語りをする物申す系の方々が出てきますが、これはなぜなんでしょうね。

神無月:まあ、賛否両論あるのは当然かと思います。ただこれ、男風(男性向け風俗)の世界では昔からよくある話らしいんですよ。男性客が風俗嬢のお腹を押す、というプレイが。

青:男性が女性キャストにするんですか?

神無月:そうです。それなんで知るかっていうと、ほぼAVなんですよ。AVを見て、お腹を押して女性の反応がすごくなったのを見て、「突然やってみた」みたいなことが男風の世界ではすごくあるらしくて。

女風の世界でも、講習で習ったものを真似ている方が多い印象です。「正確に理解をしないまま真似している」という状況ですね。

青:正しい知識を持たずに形だけ真似していると。

神無月:そうです。だからツッコミどころが満載で、賛否が起きるんだと思います。間違ったものが拡散されること自体はあまり良くない現象ですよね。心理的な配慮とか、身体の構造とかの理解がないままデリケートなところを触ってしまう。過度な圧力がかかってしまうと、当然痛みや不快感になりますから。

「痛い」と「気持ちいい」の分かれ道

青:実際に「痛くて嫌だった」という声と、「満足だった」という声が二極化しています。この違いはどういうところから生まれるんでしょうか?

神無月:外ポル的な言い方をするのであれば、「適切な子宮の位置に当てられていないこと」が一つ。もう一つは「圧が強い」ということですね。表層的な知識だけでやっているから、間違った部位を押して「痛い」「不快」となってしまう。

あともう一つ大事なのは「心」ですね。

相手との関係性が構築できていないのに、いきなりお腹を触ってしまうとか。まだメンタル的な準備ができていない、いわゆる「開発」されていない状態だと気持ちよさを感じなかったりするので。

お相手の状況を見ずに、ただただ技をやってしまうという行為が、結果として不快感に繋がっているんだと思います。

青:なるほど。効果的な場合と、やめたほうがいい場合の線引について、神無月さんはどうお考えですか? もし神無月さんが「推奨派」だとしたら。

神無月:僕は基本的に推奨派です。講習でも教えています。根拠としては、先ほど言った骨盤底筋へのアプローチや、迷走神経にアクセスして別の快楽を生み出すこと。

あと、物理的な話でいうと、下腹部に圧をかけて筋肉の緊張と弛緩をつくると、脳が反応しやすくなり、身体が快感に移行しやすい状態になります。

それと、ある程度気持ちよさが増してくると、女性の体がビクビク動き始めますよね。その動きを止めるために、あえてお腹を押すこともあります。

青:動きを止めるため、ですか?

神無月:はい。僕らが動かなくても、女性が動いているものを「振動で返してあげる(反射させてあげる)」ために使ったりします。そういう意味では、積極的に使っていったほうがいいよ、と教えています。

青:なるほど、振動を返す。逆に、もし神無月さんが「否定派」の立場として注意喚起するとしたら、どう伝えますか?

神無月:「未熟なレベルではやるんじゃないよ」ということがまず一つ。骨がない部分(お腹)で、内臓に直接、体の外から圧力をかけるわけですから。強弱を考えないと、下手すると取り返しのつかない大怪我になる可能性があります。そこに対しては慎重になるべきですね。

あともう一つ、痛みに関して言うと、「骨を触ってしまう」ことです。恥骨とか腸骨とか、その辺を押しちゃうと、骨の痛みって人間耐えられないんで。

青:なるほど。そうすると、テクニックの問題なのか、タイミングの問題なのかで言うと……?

神無月:僕は「両方」だと思っています。知識と技術が追いついていない状態もあるし、相手の個性をきちんと見ずに「全員やれば気持ちいいもんだよね」という思い込みでやっている場合もある。

さらに言うなら、興奮もしていない、信頼関係も得られていないのにやってしまうという「タイミング」の問題もあります。

「何をされているかわからない」と不安になるので、もしかすると途中で「今こういうことをしていますよ」という解説を挟まないといけないかもしれないですね。

「完全オーダーメイド」であるべき

青:ここで女性側のニーズに注目したいのですが、神無月さんがこれまでに接してきた中で、女性はどういったものを求めてくることが多かったですか?

神無月:僕の場合、そもそも「色恋営業は一切できない、絶対にやらない」とSNSで謳っていたので、そういうのを求める方は入ってこなくて、ちょっと特殊な偏りがあるとは思うんですが(笑)。一番多いのは、「自分のことを知らないから、自分の体のことを教えて欲しい」という方でした。

青:それは、女風初心者の方ですか? それとも経験者の方?

神無月:両方いましたよ。いろんな経験をした中で「自分のことがわからなくなった」「体験によってバラバラで悩んでいる」という方もいれば、初めて彼氏ができたけど痛いからどうしたらいいか相談に来る若い方もいました。

僕は大手所属時代、周りが20代ばかりの中で一人だけ45歳オーバーだったので、「駆け込み寺」的なポジショニングだったんです。SMや緊縛など特殊性癖の方もいれば、旦那さんや彼氏さんの悩み相談、ただ寂しくて一緒にいたいという方まで、本当に多種多様でした。

青:そうすると、お客様によって接し方のパターンを変えているんでしょうか?よく「接し方の正解がわからない」というセラピストのお悩みもありますが。

神無月:基本的には、全員施術の内容が違います。完全オーダーメイドですね。しかも、同じ方でも毎回変えます。刺激的なアプローチを求める日もあれば、ゆったりした癒やしを求める日もある。

その方のオーダーを事細かにカウンセリングで聞いて、それに合わせた形で持っていきます。マニュアル通りには全然やってなかったですね。

青:大手さんの時は、マニュアルのようなものはあったんですか?

神無月:ありますが、僕は講習で教える側のときはマニュアルで教えていましたけど、自分でやる時はオーナーさんが信頼して任せてくれていたので、マニュアル通りではなかったですね。

「我に返る瞬間」への処方箋

青:これも実際にお客様から聞いたことがあるのですが、定期的に女風を利用していると「私、何やってるんだろう」と我に返ってしまう瞬間があると。安くはない金額を払って、形に残らないサービスを利用している中で、一瞬冷めてしまうお客様に対して、セラピストはどう関わるのが良いのでしょうか。

神無月:その「何やってるんだろう」には何種類かあると思っていて。単純にふと我に返る方もいれば、当初の目的(癒やしなど)から逸れてしまって、セラピストへの依存や執着が始まってしまい、「本来の目的じゃない使い方になってしまっている」ことに気づいて悩む方も結構多いんです。

そういう方には、もう一回紐解きます。

  • 「当初の目的は何だった?」
  • 「今はどうだ?」
  • 「将来的に何を目指したい?」

というところをヒアリングして、伴走しながら探っていきます。あくまでプロとして、そこは受け止めてあげて、必要なものを明快に導き出してあげることが必要なんじゃないかなと思います。

言葉にできない「痛い」をどう伝えるか

青:SNSの炎上案件でも多いのが、「痛くて嫌だったけど言えなかった」というケースです。セラピスト側から、どういう配慮や聞き方をすると良いのでしょうか?

神無月:これに関しては何段階かあって、僕はカウンセリングで必ず「NGプレイ」を先に聞いちゃいます。「何がしたいか」よりは「何がされたくないか」を先に聞く。これってマイナスになってしまうので。

その次のステップとして、施術の最中に、筋肉の動き、体温、発汗、呼吸、表情を全部見ます。「今これは痛みを感じているのか? 気持ちよさを感じているのか?」を見極める。痛みを感じていたら、体温はそこまで上がりづらかったりしますし。

あともう一つ、大事なことを言い忘れましたが、「サイン」を決めちゃいます。「本当に嫌だった時は、膝を叩いて」とか、事前に決めておくんです。

青:ああ、言葉じゃなくてジェスチャーで。それはいいですよね。

神無月:そう。スイッチが入っちゃってる時って、言葉を発せられなくなっちゃうんで。「言葉にしなくていいから、2人のサインを決めましょう」と。それがあった時はやめましょう、と伝えて安心させることもやっています。

情報は鵜呑みにせずに目の前の相手を大切に

青:SNSではいろんなテクニックや情報が飛び交っていますが、その情報との向き合い方についてはどう思われますか?

神無月:声が大きい人の意見が拡散されやすい、バズりやすい現象だと思いますが、決してそれが正しいかどうかは別のお話だということを念頭に置くべきです。有名な方でも「これ間違ってんじゃん」みたいなことも結構ありますから。

一般論として言われているものも、大多数には当てはまるかもしれないけど、2割3割の方には当てはまらないこともある。だから、セラピストもお客さんも、情報を鵜呑みにしすぎず、「まずは自分のことを知る」ことをお勧めしたいです。特別なテクニックだなって思うものは、ちょっと注意が必要かなと思います。

青:ありがとうございます。最後に、この記事を読んでいる読者や同業の方へ向けて、メッセージをお願いします。「女性が嫌なことはしない」というのは大前提として、その上で伝えたいことはありますか?

神無月:まず、女性が嫌がることをしないのは大前提です。ただ、「嫌がることはしないけど、好きなことだけしている」というのは、今のポテンシャルの中でしか楽しめないことになってしまう。

信頼関係が築ける相手に対しては、一歩踏み込んで、未知の世界の体験をしてみてもいいんじゃないかなと思います。

一般的には「お客様に合わせて寄り添う」ことが多い気がしていますが、それだとお客様の今持っている領域の中でしか気持ちよくなれない。僕はどちらかというと「自分のペースに乗ってきてもらう」施術も方法としてあるよ、と伝えたいです。

そうすると、未知の世界観にたどり着いたり、「この気持ちよさって何?」という新しい発見があるかもしれない。

青:なるほど。一人よがりではなく、一緒に新しい世界へ行くということですね。

神無月:そうです。相手が必ずいる行為なので、相手がいなければ全てがセルフプレジャー(自慰行為)になってしまう。

セラピストもお客様も、お互いに個性があるので、コミュニケーションを取って、勝手に思い込まないこと。

「きっとこうだよね」という決めつけが、実は相手を傷つけたり、不信感に繋がったりします。

青:「男って、女って、女風ってこうだよね」という正解をSNSに求めるんじゃなくて、目の前の人に聞くのが一番の正解だということですね。

神無月:そうです。それが難しいことはわかっているんですが、自分が健康的に笑顔で遊ぶため、セラピストを続けるためには、最も重要なことなんじゃないかなと思っています。

青:全体を通して、言い忘れたことはありますか?

神無月:露花(ろか)は一番優しいお店なんで、ぜひご利用いただければと思います。ベテラン勢も若手もいますし、多種多様なニーズにお応えできるお店だと思っておりますので。

青:長時間お付き合いいただき、ありがとうございました!またお会いできることを楽しみにしています。

神無月:ありがとうございます。僕は人が大好きなんで、たくさんの方と携わりたいです。ぜひよろしくお願いします。

※本記事はインタビュー内容を基に構成しています。施術の効果や体感には個人差があります。

編集後記

「痛かった」と「気持ちよかった」

同じ施術を受けて、なぜこれほど評価が分かれるのか。その答えを求めて始めたインタビューだった。

SNSを開けば、「これが正解」「このテクニックで女性は必ず喜ぶ」といった投稿が流れてくる。

それらは拡散され、いつしか「常識」のような顔をして定着していく。

声の大きい人の意見が、あたかも業界のスタンダードであるかのように。

けれど、その「常識」は誰のためのものなのだろう。

  • フォロワー数の多いセラピストのため?
  • バズりたい発信者のため?
  • それともサービスを受ける女性のため?

神無月さんは「完全オーダーメイド」という言葉を使った。

同じ人でも、来るたびに求めるものは違う。

「今日は刺激的な気分の日もあるし、別の日は落ち着いて過ごしたい日もある」

だからマニュアルは持たない、と。

これは女風に限った話ではないように思う。

私たちは日々、膨大な「正解」を浴びて生きている。

  • 稼ぎ方
  • 健康法
  • 働き方
  • 恋愛
  • 子育て

検索すれば答えらしきものはいくらでも出てくる。でも、それは本当に「私の」正解なのか。

誰かにとっての正解を、自分に当てはめようとしていないか。

インタビューの中で印象的だったのは、

嫌がることはしない。でも、好きなことだけしていても、今のポテンシャルの中でしかできない。

という言葉だ。

安全圏にとどまることと、信頼関係の中で一歩踏み出すこと。

その境界線は、マニュアルでは引けない。目の前の相手と、そのときどきの関係性の中でしか見えてこない。

「勝手に思い込まない、決めつけない」

神無月さんはそう繰り返した。

これは、セラピストだけに向けられた言葉ではないだろう。

サービスを受ける側もまた、

  • 「セラピストとはこういうもの」
  • 「女風とはこういうもの」

という思い込みを持っていないか。相手に自分の期待を押し付けていないか。

SNSで炎上するたび、賛否が分かれるたび、私たちは「正解」を求めてしまう。

白か黒か。良いか悪いか。

でも、人と人との間に起こることは、そんなに単純に割り切れるものではない。

「下腹部を押す施術」の是非は、結局のところ、この記事では結論を出していない。

出せないのだ。

なぜなら、それは「あなたと、あなたが出会うセラピスト」の間でしか決められないことだから。

正解は、どこかに転がっているものではない。

目の前の人と、言葉を交わしながら、一緒に作っていくもの。

そのことを、私たちはどこかで忘れてしまっていたのかもしれない。

取材・構成:青(2025年12月11日収録)

青(アオ) セラピスト歴2年。ときどき書き手。この業界で交わされる対話を、そっと記録している。

>>【青】キャストプロフィール

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